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妄想話

第8章 赤色さんと黄色さん@引っ越し準備?

「お疲れ様でした」
今日は、レギュラー番組の収録日。五人揃っての仕事だったけど、収録後、俺だけドラマの番宣の打ち合わせがあり、局に残っていた。
スタッフと挨拶を交わし、誰も残っていないだろうと思い、ノックもせずに楽屋の扉を開ける。
「お疲れ様」
急に声を掛けられてびっくりする。
「あれ?ニノまだいたの?」
声の主を見る。
「はい。次の仕事までの時間調整で」
「え?この後仕事なの?」
「本当ならこの収録で終わりだったんだけど、ニノさんの一部分がスポンサーNGになって、急遽撮り直しになったのよ」
ニノが、溜め息混じりに話す。
俺は、帰り仕度をしながらニノの話を聞いていたが、いつもと違うニノの行動が気になり、ニノが座っている場所に近づく。
「珍しいね。今日はゲームじゃなくて、タブレット見ているんだ」
「うん。今、引っ越しを考えてて。しょーちゃん、今時間ある?この間取りどう思う?」
ニノが俺にタブレットの画面を向ける。どれどれと俺も画面を覗く。
「玄関、廊下、リビング…って俺の住んでいる所に似てるって言うか、俺の住んでるマンションじゃん」

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