大切な人へ ~second story~
第7章 見ちゃった
『あ...でも!
井川くんがみんなに言ってないなら言わないで?』
多分井川くんも何かがあったのかもしれない
それに...私が文句言っていい立場じゃないよね
「美優ちゃんはこのままでいいって思ってんの?」
渉くんは少しだけ大きな声になった
「俺さ...正直がっかりっていうかショックでさ
美優ちゃんが井川の事好きだって知ってるから
でも部外者だし2人にも色々あるのかなって思ったり
結局何も言えなかった。ごめん...」
彼はすごく悲しそうな顔で言葉に詰まりながら
話してくれた その気持ちだけでも嬉しいよ
『ありがとう渉くん。
言いづらいこと言わせちゃってごめんね...
でも井川くんだけが悪いわけじゃないの
今まで本当にね...言えないけど色々あったの』
だから今日の事は忘れてほしい
今まで通り彼とお友達でいてほしいって言ったら
すごく切ない笑顔でわかったって言ってくれた
「でもこれからどうするの?」
『今はどうもしない...でも部活見に行くのは
大会とか試合だけにしようかな。観客席とかでね
もし井川くんがマウンドに立つ時は教えてくれない?』
彼はいいよって言ってアドレスを教えてくれた