大切な人へ ~second story~
第10章 2度目の失恋
井川くんは私を振ってもくれなかった...
あの時ちゃんと振れって怒ってくれたのに
私は彼と話すのが増々恐くて
連絡を入れるのをやめようと思った
でも...
『渉くん...ここおごるからさ
2つお願い聞いてもらえないかな』
渉くんはそのお願いの内容を聞く前に
いいよって言ってくれた
多分それは...私が泣いていたから
1つ目のお願い
『井川くんのバカーーーーー‼‼』
「そーだ!最低野郎だーーーー‼」
こんなに叫んだら防音って言っても漏れてるよね 笑
失恋カラオケにきて歌って叫んで
渉くんも一緒に騒いでくれた
もう普通に話す声すらあんまり出なくなって帰った
『2つ目はね...』
帰り並んで歩きながらガラガラの声で言った
これからも井川くんの投げる時を教えてほしいって
渉くんはしばらく黙ってたけど
いいよって言って 横から頭を撫でてくれた...
ありがとうって小声で言ったら
抱きしめてくれそうになったけど
丁寧にお断りして笑われました
『今日は付き合ってくれてありがとう
誰かといられてよかったよ...』
だって...
今日は私の誕生日だから