テキストサイズ

アルバムの中の天使

第2章 第2章 クラスメイト

やって来たのは
さっき荒木君と一緒にいた子だった
そしてもう1人の女の子と一緒に歩いて
近付いてくる。

『りゅうや君。この子だよ。まやちゃん』

『はじめまして。まやです。』
恥ずかしがりながらも
彼女は俺に小さく二度頭をさげた



『じゃあ行こうか』

荒木りゅうやがそう言って
俺の肩をたたくと
さらに耳元でこう言った

『70点!』


俺は思った
いや100点だろ



電車に乗ると2駅走りそこで降りる

とてつもない緊張のまま少し歩くと
俺達4人はカラオケ店に入る
それぞれドリンクを注目し
俺はメロンソーダーを頼んだ


『さあ、皆楽しくやろう!』
『勝利は頑張って、まやちゃんにアピールしなさい』
またしても荒木りゅうやがぶっこむ

『え?あ、はい...』
そんな事急に言うなよ...


こんな風に女の子と遊んだ事なんで
実は一度もなかった

そんな俺は体中カチコチで
まやちゃんの顔すら見れなかった
最悪な事に自分から
話しすらかけられなかった


結局俺はメロンソーダーを4杯のんで
皆が歌う曲の合間に拍手をしただけ

まるで空気

せっかくの荒木君の紹介
まやちゃんを失望させて
何の発展もなく終わってしまった。



カラオケ店を出る


彼女らと先に分かれると
荒木りゅうやと駅に向かった

歩く途中に荒木りゅうやは俺にこう言った

『もっと自分から話しかけなきゃ』
『ただでさえデブでださいんだから』


ひどい言葉だが
それは事実...もっともである


『荒木君さぁ、ひとつだけ聞いていい?』

『何で俺を誘ったの?』


すると荒木りゅうやはこう答えた
『いや本当たまたま』
『お前が俺の前歩いてたから』


そうか...理由なんてなかったのか
あっけない荒木りゅうやのその
言葉に少しだけ悲しくなった

そして今日の自分の情けなさに
心から反省した。


もっと自分に自信をもたなければ...


荒木りゅうやと別れ
駅からバスに乗った

バス停を降りると当りは真っ暗
家に向かって電灯沿いに細い道を歩く


荒木のようにかっこ良くなりたい
もっと積極的になりたい
まだまだもっと痩せなければ...




家に着くと
部屋に戻り鏡の前の自分を見た


自分の為に自分を変えよう...
そう投げかけると
最後は鏡に移る自分に深くうなづいた






ストーリーメニュー

TOPTOPへ