LIFE
第8章 I miss you *海*
浮き輪やボールをしぼませて。
パラソルを返却して。
シートも畳んでゴミも集めて帰り支度を整える。
「楽しかったね。」
「また来よう。」
夕日が綺麗な海を目に焼きつけて後にする。
日に焼けた肌にTシャツがあたると痛い。
特に首のあたり。
俺は慣れてるけど二宮くんは大丈夫かな。
「痛い?」
首のところを見たら俺なんかより赤くなってる。
「…痛い…けど平気。」
ビクッと首をすくめてる。
「あんなに一生懸命、日焼け止め塗ったのにね。」
くふふと笑ったら、拗ねた顔でこちらを向く。
「首のうしろは、いつもウッカリするんだ。おろそかになるー。」
確かに。
「覚えとくから。今度は俺が塗ってあげる。」
「…うん。」
あは。
“今度”があるんだ。
嬉しくなった。
今日のことは心の絵日記に書く。
ぜったい。
キス…
したし。
忘れられない。