LIFE
第9章 I miss you *隠す*
「来週、修学旅行だから。」
教室へ帰る途中で言われた。
「あ、そっか。」
「寂しいと思うけど、いい子で待っててね。」
……
「…は?」
「なんだよ!
は?って。」
「んふふ。
面白いリアクション、ありがとう。」
「寂しいは寂しいだろ。」
「うん。」
「へ?」
「寂しい。」
「……」
うわ。
冗談にしようと思ってたのに相葉さんが固まった。
「迷子になったりしないで、ちゃんと帰ってきてね!」
「……。」
ちょっと…
バシッと背中を叩いた。
「先生や友達に迷惑かけたらダメだよ?」
「…はい。」
「声、小ちゃい!」
「…はい。」
小ちゃいってば。
その日の夜。
優香から届いたメール。
『先輩に別れようって言われた。』
いよいよ俺はなんて返していいかわからない。
『大丈夫か?』
そんな事くらいしか、かける言葉がなかった。