LIFE
第9章 I miss you *隠す*
「一緒に帰ろ?」
部活前に見かけた二宮くんにそう声を掛けたら、
「うん!あれ?今日…。」
きょとん顔。
「大丈夫?
バッティングセンター行く?」
「…うん。ね?今日?」
「うん。」
何か言いたそうな顔。
「二宮くんが平気なら。
俺は今日でも明日でも、いつでも大丈夫だから。」
「…うん。行く。」
「じゃあ後でね!」
ちゃんと俺から話そう。
二宮くんのお友達をフッて申し訳ない気持ちもあるけど。
俺は、
まっさらで、
いつでも空いてるよ、
って。
いつまでこんな風につるんでいられるのか、わからないけど。
放課後の帰り道。
「あ、あのさ!
優香ちゃんと別れたんだ。」
その表情は驚いてないから優香ちゃんから聞いてたのかな…って。
「そう。優香は?大丈夫だった?」
「うん。大丈夫。」
「なんで別れたの?」
「うっ…ごめんなさい。」
「なに謝ってんの?」
「今までいい加減に付き合ってきたのを…反省してる…とこ。」
「…へぇ。そうなんだ。」
はーっ。こわ。
無表情で淡々と話す二宮くんが。
「ね。付き合うって…どんな感じ?」
「へ?」
「あ…やっぱなんでもない。」
「もしかして…二宮くん、付き合ったこと、ないの?」