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LIFE

第1章 サヨナラのあとで

s side

今日の収録は無事終わって、次の仕事に向かう者は向かい、何もなかった俺が同じく後がなかった雅紀に声を掛けた。

「メシ行こっか。」

「うん。行く。」



智くんから聞いてた。

雅紀が泣いてたって。

俺としては放っておけない。

だけどー…
連れ出したはいいが…
なんて話すればいいのか…

とりあえず単刀直入に聞いてみるか。

目の前でビールを飲む雅紀に言葉を発する。

「なぁ。お前ら、どうなってんの?」

「…どうって?」

「俺はにのに言ったけどね。
“もうダメ。雅紀は渡さない”
って。」

雅紀は驚いた顔をした後、俯いた。

「……

俺も…。

“もうやめよう”

って言った。」

「そっか。」

「うん。」

お店の中の人や物の音がやけにハッキリ頭の中に入ってきた。

俺は雅紀がどんな気持ちでそんなことを言ったのか、今日どんな気持ちでにのに会ったのか、思いを巡らす。

その後ふたりとも黙ってしまった。

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