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LIFE

第10章 I miss you *別れの時*


そして相葉さんは卒業した。

俺は泣かなかった。

涙も枯れたのかも。



相葉さんがいない学校。

裏庭も旧校舎も。

朝練や放課後で会った渡り廊下。

待ち合わせた校門の先。

思い出がいっぱい。

相葉さんの笑顔が浮かぶ。

くしゃくしゃの。

可愛い顔。

俺の大好きな顔。

どこもかしこも相葉さんとの思い出ばかりで。

寂しい。

寂しくて死にそう。

いつも探してた。

いつも相葉さんの姿を探してたよ。

まだ寒いのに、春が来る前に、お別れなんだ。

もう離ればなれなんだね。


*****


『相葉さん。
明日、会える?』

忙しいだろうから遠慮がちに送るメール。

でももう会えなくなるから、もし立て込んでても無理言ってもいいよね?

『俺も連絡するとこだった。』

よかった。

会いたいって思ってくれたってこと?

そうだよね?

それだけで又泣けてくる。

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