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LIFE

第10章 I miss you *別れの時*



いま願いごとがひとつ叶うとしたら。

俺はなにを願うだろう。

“行かないで”

って?

それは駄目。
相葉さんの将来があるから。

“告白する勇気”

とか。

んー。無理。

“忘れないで”

これかな。

うん。

心の中での“もしもの話”なのに真剣に考えて。
納得したはずなのにその後も考えて頭の中で訂正することにした。

もっとちゃんとした願いがあったから。


“相葉さんが元気でいますように”


それにした。





相葉さんがちょっと遅くなるって、
時間が読めないから俺の家の方に向かう、着いたら連絡するとメールが来た。

ソワソワしながら待つ。
連絡が入ったのは少し夜遅くで。
俺んちの近くまで来てくれた。

「お風呂入ったよね?」

「?」

「体。冷えちゃうね。ごめんね。」

「ううん。大丈夫。」

相葉さんは俺の髪の毛を触って、ちゃんと乾かしたの?って心配そうにしてる。

「あのさ。これ。持って行って。」

おれが差し出した小さい袋。

「なに?」

「ふふ。なんでしょー?」

「開けていい?」

「いーよ。」

相葉さんがかじかんだ手で大事そうに袋から出した。

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