LIFE
第10章 I miss you *別れの時*
俺が地元を離れる日。
特急の電車の時間に合わせてみんなが見送りに来てくれた。
友達も家族も。
見知った人の顔、顔…。
俺もこないだクラスメイトのひとりの見送りに行ったんだけどヤバかった。
あれはヤバい。
泣くなってのは無理。
涙が出て仕方がなかった。
でも自分の番になるとこれまた不思議なもんで。
泣かなかった。
泣けなかった。
みんな、ありがとう。
少し離れたところにいる二宮くんの姿を見つけた。
翔ちゃん、松潤、大ちゃん、みんなと一緒に遠慮がちに遠くから見てる。
俺から近づくと向こうも歩みを進めてくれて。
「また…な。」
翔ちゃん。
「帰って来る時、連絡してね。」
松潤。
「寂しい…。」
大ちゃん。
「…相葉さん。」
二宮くん。
「ゴールデンウィークには帰って来るから。」
それだけ言って笑ってみせた。
笑えているのかな、いつもみたいに。
二宮くんがキーホルダーを渡してくれたからポケットにしまうと親が呼ぶ声の方へ向かった。
もう時間だ。
「ありがとうね。」