LIFE
第11章 見つめていたい〜eyes〜
相葉さんが何度も何度も飛ぶのを見ていた。
今日はすごく調子がいい。
綺麗なフォームで飛んで疲れたのかマットの上に大の字。
しばらくするとムクっと起き上がって、こっちに向かって手を振る。
え?
思わず窓枠から姿を隠すようにうずくまった。
まさか…ね…
ドキドキする胸を手で押さえて、そぉっと相葉さんを見た。
まだ手を振ってる。
な…なんで?
よーく見ていると、相葉さんの視線は俺の教室より上。
上は…
空き教室と図書室と美術室。
誰か空き教室から相葉さんを見てるの?
か…彼女とか…
そうだよ。
あんなにカッコいいんだ。
彼女くらいいるよ。
自分に言い聞かせて自分の席に戻った。
言い聞かせてみても悲しくて沈んでしまう。
ずっとぼーっと座っていたら、いつの間にか潤くんが隣りの席に座っているから、
「いつからいたの?」
「んーっとねー、10分くらい前。」
ごめんね…帰ろ…
そう言って立ち上がった。