LIFE
第15章 見つめていたい〜秘密の場所〜
もう一度、髪の毛に触るために手を伸ばす。
髪の毛を手のひらで撫でるともう後ずさることはしなかった。
されるがままなの?
本当は容易く触らせないで欲しい。
眼鏡を取って前髪を上げて。
ぎゅっと瞼を閉じてまた開けるのをじぃっと目を逸らさずに見つめる。
眼鏡を机に置いてイスの先に座って身を進めて二宮くんの頬を両手で包んだ。
やっぱり。
やわらかくて、
すべすべで。
頬を撫でると潤んだ瞳で俺と視線を合わせて。
可愛い顔が見えるように何度も髪の毛を撫でてたら二宮くんは目を細める。
そのまま頬と耳を触って胸に引き寄せた。
心臓がバクバク。
でも不思議なくらいいい気持ち。
たぶん何分も経ってないんだろうけど長いこと、そうしている感じがした。
時間が止まったみたい。