LIFE
第15章 見つめていたい〜秘密の場所〜
「手を…握ってくれたから、」
「……」
今度は俺がぎゅっと握り返した。
「離そうとしても離さないでいてくれたから、そうじゃないのかな?って思えたよ。」
二宮くんはもう緊張が解けて逆にふにゃふにゃ。
「少しずつ、ゆっくり、気持ち確かめ合っていかない?」
「……」
「っていうか…
俺のものにしたい。
二宮くん、誰にも取られたくない。」
「…みたい。」
「え?」
聞き返すと目の前に髪の毛の隙間から見える真っ赤になった耳の縁。
本当に恥ずかしいんだって口説き落としてる最中なのに可哀想になってきた。
「嘘みたい。」
その姿、その言葉にもう俺は安心して強気の発言をした。