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LIFE

第18章 つかまえたい!



「また二宮さんに怒られた。」

村上がそう言ってだらんと机に突っ伏した。

今度はなにをやったんだと呆れながら俺は二宮さんに指示されたパソコン入力作業をカタカタと打ち込みながら村上の様子を伺う。

「まあ俺が悪い…。」

また報告だか連絡だか怠ったらしい。

「ホウレンソウとはよく言ったものだ。」

なんてブツブツと反省中の彼だけど素直に非を認めているのに好感が持てる。

「それに、怒られてない。」

お、新展開。

「どういうこと?」

「あれは注意。俺が二宮さんを怖いと思ってるから怒られたって思うわけよ。」

なるほどね。

確かにそうだ。

それに村上は気が利かない。

言われた仕事が終わって、次なにしますか?と、指示を仰ぐ俺は村上ほど二宮さんに注意?されないし。

でも俺のそれは二宮さんと接触したかったり褒められたいってのもあるから余り偉そうなことは言えない。

「よっしゃ。グダグタ終わり!」

「お、頑張れ!」

もう怒られないようにするぞー、と村上は俄然やる気を出していた。

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