LIFE
第20章 つかまえたい!〜scene3〜
そうして初出張を無事終えて会社に戻る。
時刻は遅くなっていたが先輩と一緒に課長に報告して、お疲れ様、と労いの言葉をかけてもらって一段落。
慣れない出張、帰ってきたという安堵からどっと疲れが押し寄せてきた。
「お疲れ。
残念ながら平日ということで明日も仕事だな。
早く帰って寝ろよ?」
ポンと肩を叩く。
「はい。ありがとうございます。そうします。色々ありがとうこざいました!」
帰ろ、帰ろ。
自分の席の上やイスに置いていたビジネスバッグやボストンバッグを掴もうと手をかけた時に、いつもの癖で二宮さんの席を見てしまった。
明日会える。
二宮さんは元気にしてたかな、なんて思いながら二宮さんのイスをさらっと触ってフロアから出ようとした時。
「相葉!」
チラホラとしか残ってなかったフロアから村上が声を上げた。
「危な!
今メッセージ送ろうと思ってた。
お疲れ!」
「おう。疲れたよぉ。
それよかまだ残ってたの?お前こそお疲れ。」
見知った顔に安心してつい弱気というか甘えた声が出る。
「ちょっと立て込んでてな。
あ、そうそう、これ。」
村上が手にしていたなんでもない職場の書類封筒を渡された。