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LIFE

第22章 つかまえたい!〜scene5〜



「二宮さ…」

酔っ払って突っ伏した居酒屋のテーブル。

仕事帰り村上と飲みに繰り出した。

村上と一緒だしー、明日は休みだしー。

「大丈夫かー?」

頭の上に村上ののんきな声。

「んー…だいじょ、ぶ…」

気持ち悪さはなくて、いい気分。

もうちょっと飲みたかったなぁ。

そんなことを思いながら顔をずらして村上を見たら俺と目を合わせてニコっと笑って、酎ハイを飲んで皿に残ってたキュウリをポイっと口に放り込むのが見えた。

ああ、平和な光景。



眠たいな。

またまぶたを閉じてみる。

あー、眠い。

このまま布団の上がいい。

酔っ払ったらよくそう思う。

布団!布団!

声に出てたみたいで村上が笑い出した。

「布団ね、はいはい。」

「くふふ、」

適当にあしらわれてるのも楽しい。

「にの…み…や…さ…ん、」



会いたいなぁ。



「二宮さんね、はいはい。」

なんだよ、その適当な返事は。

でも俺の思いつきで発せられる言葉に返事してくれる村上にまた、おかしくなって笑ってしまう。



ふわふわしてる。


ポンポン


ん…


ん?


ポンポンってまたしてよ。

そう思ってたらポンポンじゃなくて、ちょっと髪の毛を梳くように撫でられて。



まさかねー



そのままの体勢の俺に柔らかい声が降ってきた。



「相葉くん。」

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