LIFE
第26章 make a mistake〜誤算〜
その先どうすることもできない俺に二宮くんがそっと口づける。
“もう来ないで”
そう言って、俺にキスしてきたのが蘇る。
あのキスの意味は?
今もなにを思ってる?
合わせた唇だけのキスは悲しくてせつなくて。
泣きたくなってきて慌てて離れる。
なんで俺が泣きたくなってんだ。
泣きたいのは二宮くんだ。
急いで服を着て部屋から飛び出した。
最後に見た二宮くんは。
泣いてるのか、泣いてはいないのかわからなかった。
涙は見えないけど悲しそうな目で俺を見ていたのはわかった。
いつも意識を飛ばしてか、終わった後の虚無感からか。
うつ伏せで見えなかったから。
四つん這いで両手付いてた姿は、ドアを閉めたら泣き崩れるだろうと容易に想像できた。