LIFE
第26章 make a mistake〜誤算〜
タクシーを降りて雨をよけながら走る。
部屋の前で静かにドアに手を掛けるともちろん閉まってるから。
チャイムを鳴らすけど出てくる気配はない。
携帯を取り出しメッセージを打ち込んだ。
《二宮くん。
相葉です。
部屋を開けてくれない?》
…
部屋には居る気配。
これで返事がなかったら。
帰るしかない。
どう考えてもストーカーだし。
少しして届いたメッセージ。
《相葉くん?》
《ごめん。開けて。部屋の前にいる。》
嫌だと言わたらどうしよう。
もう一度、文字を打ち込もうとしたらドアの向こうでガタガタと音がして、ドアチェーンの隙間からの目が俺と合う。