LIFE
第26章 make a mistake〜誤算〜
「…また…」
小さい声だけどまだ街が動き出す前の時間。
ちゃんと耳に届く。
「…また来る?」
泣かないように頑張って見えるその目や口元に俺が泣きたくなってしまう。
来てもいいの?
二宮くんも俺に会いたいって思うの?
二宮くんのそばまで行って手を取り部屋へと戻る。
ドアを閉めて抱きしめたいのを我慢して手を握ったまま訊いた。
「二宮くん…俺また来ていいの?」
二宮くんがこくりと頷く。
「俺のこと…怖いでしょ?
…嫌でしょ?」
「…嫌じゃない、怖くない。」
俺の胸に頬をつけて腰を掴んだ。
「…好き…って言ったら…
…おかしい…よね。」
腰に頼りなげに付いたままの手が離れそうで俺から抱きついた。