LIFE
第26章 make a mistake〜誤算〜
朝の光が差し込む窓。
もう行かなきゃ。
少し前に目が覚めて、握られたままの手を見て微笑んで。
たぶん。
俺はめちゃくちゃ優しい顔をしているはず。
そんな風に思って、覗き込んだ二宮くんの頬に唇をつけて。
そっと手を離す。
もう一度、眠ってる顔をまぶたに焼きつけるみたいに見て。
凝り固まった体をほぐしながら立ち上がった。
静かに部屋を出て早朝の独特の空気を吸い込む。
雨はすっかり止んでいて濡れたアスファルトの道を歩き出す。
「…く…ん…」
?
気のせい。
振り返らずに前を向く。
「…あ…いば…く…」
まさか…
振り向くと近づいて来るのはさっきまで見ていたTシャツ姿の二宮くん。
俺と目が合うと立ち止まってしまった。