LIFE
第28章 sugar honey
「わ!」
大きな声を出してのけぞったにの。
あー、顔、真っ赤っか。
「にのー。
お前、俺のこと、好きなんだろー。そんな嫌なんかー。」
「嫌とか!そっ、そんな、そんなんじゃっ、」
「逃げてんじゃん。」
そんな嫌がらなくても、ってブツブツ文句言う。
拗ねた俺の近くに戻ったにのをまた襲ってやろうかと思った時。
……
ふさがれた唇。
驚いて目を開いたけどすぐに閉じてしまった。
自然と閉じてた。
重ねられた唇はしばらくすると柔らかく食んだあと、するりと舌が滑り込んでいて。
されるがまま。
されるがままというか驚きと気持ちいいので動くことができない。
にのが。
あのにのが。
こんな情熱的なキス。
可愛い弟的存在のにののオスな部分。
オスなのに優しく慈しむそのキスは思考能力をストップさせる。
しびれるような
とろけるような
自分でも信じられない。
とろけるキスに翻弄されて、ようやく動くことに決めた俺はにのをはねのけるではなく、にののキスに応えた。
舌を動かすと何度かからませる。
き、きもちいい
もっと…
角度を変えて本格的に応戦しようとした俺をにのの方からはねのけて。
「ご、ごめんなさい!」
謝られた。
そしてすごい勢いで鞄を掴んで出て行った。