LIFE
第28章 sugar honey
「お前、なんなの。」
「…」
「この前もだけど、今回も。なんなんだよ。やり逃げされてんの、俺。」
「!
なんてこと言ってんの!」
ブツブツ文句を言って歩いてる俺の横で少し早歩きになってるにのは、めっそうもない、って顔。
「会いたいのは俺だけだ、って言ってんだよ。」
「俺だって会いたいよ?でも、」
「でも、なんだよ。」
俺んちでいいか。
言い合いながらズンズン歩いてて、もう家の近くになってる。
にのもついてくるから、いいか。
にのんちに送るつもりだったけど。
俺の文句に言い返してくるにのの言葉に、にのの俺への片思いみたいなものを感じていた。
やりたいだけ、って感じはダメなんじゃないか。
俺は会いたいって思っても我慢してたからこんなの普通。
俺のことをずっと考えてるって言うけど、俺なんかずっと前から、いつも相葉くんのこと考えてる。
そんなことを言われた。
…
にの。
お前が言ってた、俺への“好き”がよくわからないっていうの。
俺が今お前に向ける“好き”がいまいちわからないのも。
俺たちの正直な気持ちって気がするんだ。
俺が仕掛けたみたいで悪いけど、ちょっと俺に付き合ってみてくれない?
軽く感じるかもしれないし、にのの望む関係じゃないかもしれないけど俺の今の気持ちを話した。