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BOXルーム

第5章 時間を戻してからの、話

 ももっちはそのドアを開けてみる。


 引くとビクともしないが、押すと簡単に開いた。


 パァッと、光が入り込むと、ももっちは驚いた。


「ええぇぇ……なんでこんな所に出るの!!」


 ももっちが見たのはカフェ瑠樹亜の店内。シックでモダンな造りで、沢山丸いテーブルが並ぶ。


 まさか、扉を開けていきなり店内だとは思わなかった。


 後ろを見ると、壁に飾られた大きな額縁があった。


「あの絵が扉だったのね。でも、このお店、見覚えある。絶対あるって」


 ももっちはそう言って店内を見回す。


 誰もいない。外はすでに真っ暗で、誰一人歩いてる様子もない。


 ふつふつと忘れかけた記憶が甦る。


「あ……そうよ……窓辺のテーブル……ここ、たしか街頭でコーヒーの無料配布してた店だ」



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