テキストサイズ

BOXルーム

第6章 執事たち

「彼女がどうかしたんですか?」と、真綾が尋ねる。


 ムエちゃんは、バーナーでビール瓶の口を焼きながら言った。


「喫茶店で、倒れるしてたみたいだったと、聞くしたよ」


「え!? ももっちさんが?」


「そう。なぜ、あんなとこに行ったしたか、わからないするし」


「彼女、いまどこ?」


「私、まだ誰とも付き合うしてない」


「その彼女じゃなくて、ももっちさんよ!!」


 真綾はムエちゃんの言い回しに、ややキレかかっていた。


 ムエちゃんは台の上にビール瓶を横に倒し、しっかり固定させると、瓶の口を台の縁から出した状態で、そこに日本刀を振り下ろした。


「偵察に行ったボディーガード達が、見付けたらしいんですよ。喫茶店で寝てたそうですが、何しに行ったんでしょ? 通じる扉は施錠されてなかったようですが……」


「そう……て、あなた今ちゃんと喋るしたしましたよ……あれ? 感染した……」


 聞いているうちに、真綾にもうつったようだ。


「栓が抜けないダメしたするよーーっ!!」


 ムエちゃんはそう叫んで、ビール瓶を床に叩きつけた。


 割れない。


「ちょっとムエさん、さっきから何してるの?」


 真綾はビール瓶を拾い上げると、台の上に立てた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ