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第6章 執事たち

 ムエちゃんはビール瓶を指差すと、肩を角張らせ、悔しそうな表情を見せた。


「僕はただ、ビールを飲みたいするだけよ!! 栓抜きないしてるし、全然開くしないし!!」


「そんなセリフ、よく噛まずに言えるものね……」と、言って、真綾はパスタを食べるのに使っていたフォークをグッと握った。


「貸してみなさい」


 真綾はフォークの先を、ビールの栓に引っ掛けると、クリンとねじってみた。


『シュポン!!』


 無理矢理に栓を抜いて見せた。


「うぉー! ありがとするします!!」


「あれ? 噴き出ないわ!? ビールでしょ?」


「これは麦を焼酎に漬け込むしたお酒なのやね」


「それ、ビールじゃないでしょ……」


 ムエちゃんはグラスを2つ出したが、真綾はそれを断った。


 しばらくすると、タキシードを着た男性四人が、騎馬戦の様にももっちを担ぎ上げながらやってきた。


「例の女性を連れて来ました」と、一人、メガネをかけた男が前に出た。


 他の三人はゆっくりと、ももっちを下ろし、椅子に座らせた。


「ルキア様にご連絡致しましたら、こちらに連れて行けとおっしゃられましたので」と、メガネの男は軽く頭を下げる。



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