テキストサイズ

BOXルーム

第7章 時間を、また戻してみる

「実は……私達三人、ここに閉じ込められてます」


「はぁっ!?」


 男は驚いて立ち上がった。そして、勢いよく後ろのドアを開ける。


 隣も同じような部屋で、そこにはテーブルとその上に白いポットが置いてあるだけだ。


「なんだよここ……」


 男は愕然とした。


「入ったんだから出入口はあると思うけど……なんでだ?」


 ドアは2つの部屋をつなげる、この1つだけ。他に出入りするような所は見当たらない。


「さっき、そこもピイコさんが調べてたし……」


「ピイコ……ところでそのピイコって、あの人の名前ですか?」と、男が尋ねる。


 すると、ピイコと呼ばれる女性は軽く微笑んだ。


「お兄ちゃんもひょっとしたらエフミのユーザー違う?」


「え? エフミ……あぁ、F☆MIXのことですね。なんで?」


「やっぱり。で、お兄ちゃんのFネームは?」


「Fネーム? なんですか?」


「みんな、ブログとかしてたら、ハンドルネームとかホームネームとか言うて、自分の名前を変えてつこてはるやないの。エフミではFネームって言うんやで」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ