テキストサイズ

BOXルーム

第7章 時間を、また戻してみる

「これは普通に、サッカーのPK戦をやれってことでしょう。てか、何がサドンデスなんだ?」


 ホルモン王子はそう言うと、ボールを足で玩ぶ。


 ゴールはどこに打てばいいのか? 誰かをゴールキーパーに決めなきゃいけないのか? 全くルールが分からない。


「ねえ……ちょっと」と、のたまんがドアの反対側の壁を指差した。


 ピイコとホルモン王子は、のたまんの示す方に近寄る。


「これ、見て」


「ぷっ!! なんだこれ!?」


 ホルモン王子は吹き出した。


 のたまんが見付けたのは、壁の下に小さな字で書かれた『ゴール』の文字。


「ま……まさか、これがPKのゴール? まさかなぁ……」


 ホルモン王子はしゃがんで、マジックペンで書かれたようなその「ゴール」の文字をまじまじとながめた。


「つまり、ここにボールを蹴って当てろってこと? この文字3センチくらいだよ」


 ホルモン王子はゴールを指でなぞり、困惑な表情を見せる。


「遠くから蹴らなくても、近い位置から手で投げ当てたらいいんじゃない? 何かおこるのかな?」


 ピイコがそう言うと、ボールを両手で取り、ホルモン王子が立ち上がる。


「いや……ちゃんと蹴ってぶち当てる!!」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ