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第7章 時間を、また戻してみる

 ホルモン王子は、ボールを膝で蹴りながら離れようとしたが、一度も出来なかった。


「……僕は元テニス部だったもんで」


 ピイコは軽く、ずっこけた。


「いや、誰も聞いてないし……てか、ホルモン王妃、サッカーしたことないでしょ?」


「王子です……誰が国王の奥さんなんだ……てか、いい加減名前で呼びあいません?」


 ゴールの文字の位置はドアの反対側。


 ホルモン王子は隣の部屋の奥に向かい、テーブルをずらす。そこから蹴り当てるつもりだった。


「ホルモンさん、そこからじゃ遠くないですか?」


 のたまんが声をかける。


「大丈夫ですよ。僕にしたらまだ近いくらいです」


 ちなみに実際のサッカーでのPK戦は、ゴールから約11メートル離れた位置で行われる。


 ちなみに、13メートル離れていた。


「いきます!!」


 床に置かれたボールを目掛け、ホルモン王子は一気に蹴りあげる。



『ゴキッ!!』



 蹴りあげたのは床だった。


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