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第7章 時間を、また戻してみる

 右足の爪先を押さえ、横たわって悶絶するホルモン王子を、二人はただ黙って……いや、笑って見ているしかなかった。




 ――第2戦




 先ほどのダメージは無かったかのように、ホルモン王子は小さなゴールの文字を目掛け、ボールを蹴りあげる。だが、視力0.5のホルモン王子にはその字はハッキリ見えておらず、蹴られたボールはドアの横の壁にぶち当たり、無情にも跳ね返って、ポーンポーンポーンと転がる始末。




 ゴールから、3メートルほどの位置に変え、チャレンジ。


 力強く蹴りあげたボールはゴールの文字の、はるか上にぶち当たる。


 諦めて、手で掴んでゴールにぶち当てることにした。


『バーン!! バーン!! バーン!!』


 微かに他の壁に当たった時と音が違う。


 薄いベニヤ板に叩きつけてるような音がする


「よし、私がやっちゃる!!」


 交代でピイコが当てる。


「うおりゃっ!!」


『ドガッ!! ドガッ!! ドガッ!!』


 おばちゃんパワーが、激しくボールに伝わってくる。


「ウォリャーーッ!!」


 ピイコは雄叫びを上げながら飛び上がり、ハンドボールのようにサッカーボールをゴールの文字に目掛けぶち当てた。



『バキッ!!』




 鈍い音とともに、ゴールの文字が内側に凹む。


「トドメじゃーーっ!!」



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