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BOXルーム

第8章 純化からの挑戦状

 だが、ほとんど何もない殺風景な部屋。一目見て、変化があるかないかはすぐ判る。


「のたまんさん……何もないじゃん……なんの変化があるって言うの?」


「受話器」


「へ?」


「あの純化との、コミュニケーションを取るための受話器。それを探さないと……」


 のたまんは壁や床を手で押しながら確かめる。


「のたまんさん……無いっすよ……本当に出るの?」


「わかりません」


「……いや、わかりません……て、じゃあ、探してる意味ないし」


 ホルモン王子が、痺れを切らして不満をもらした。


 それを聞いたのたまんは、表情を変えた。


「答えが出てたらもうとっくに脱出してますっ!! これは向こうの挑戦ですよ!! いくつもの可能性を試さないと出れません!! それに、結果が出なければ出るまで突き通しましょうよ!! もし、間違っていたとしても、私は諦めない!」


 ここに来て、初めてのたまんが大声を出した。


 不安に押されず、とにかく前に進むのが自分のポリシー。窮地に立ってこそ弱音を吐かず自分で突き止める。それが、のたまんなんだと言わんばかりに、自分を主張した。



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