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BOXルーム

第8章 純化からの挑戦状

 ドアの取っ手に手をかけると、右方向に回し、ゆっくりと引いてみる。


 中は普通にトイレだった。


 だが、たったひとつ不自然な所があった。右側の壁が約20センチ下がり、上部に色の違う壁が現れた。


 そこに、赤いボタンを見つけた。


「あれか?」


 ホルモン王子は便器の蓋を閉め、それを土台して、ボタンに手をかける。


「押していいのかなぁ……」


 押したら爆発するかもしれない。どこからか毒ガスが噴出されるかもしれない。


 普段は有り得なくとも、ここでは有り得そうな不安が頭の中をギュンギュン過る。


 やっと見つけたひとつの変化。これがダミーだってことも考えられる。


 ホルモン王子は悩んだ。


 ボタンを押せば何かが起こる……答えを知るには押すしかない。





 押そう



 押してやる。



 ホルモン王子はボタンに指を触れた。



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