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第8章 純化からの挑戦状

「ホルモンさん?」


 突然、のたまんが外からホルモン王子に声をかけた。


 ボタンから指を離し、ドアの方向に顔を向ける。


「はい、あ、開けて大丈夫ですよ」


 ホルモン王子が答えると『カチャ』と、音がして、のたまんが顔を見せた。


「受話器、ありましたよ」


「えぇっ!?」


 見に行くと、モニターの横にある、リモコンがはまっていた所に受話器が押し出されていた。


 のたまんとホルモン王子は、受話器の前に立っていた。


 いったいどんな仕組みになっているんだ……と、そう考えながらも、ホルモン王子はトイレの赤いボタンの事が気になっていた。


 押していたらどうなっていたんだ?


 押したら何が起こる?


「のたまんさん、気になってることがあるんだけど……試していいかな?」


「なんですか?」


 ホルモン王子はのたまんに赤いボタンのことを説明した。


 おそらく「やめましょう」と、言うであろう。



「へぇ〜、押してみましょう♪ なんかあるかも知れないじゃないですかぁ〜」


 真逆の反応。人格もいろいろあるんだなぁと、ホルモン王子はしみじみと思った。


 トイレに入ると便器の上に乗り、赤いボタンに手をかける。


 ホルモン王子はドキドキと心臓が鳴り、生唾を飲み込んだ。


 のたまんはウキウキと胸をときめかせ、笑顔で息を飲み込んだ。


「押します!!」




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