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BOXルーム

第2章 F☆MIX

「あっ、そうか携帯だ!!」


 るかと下里は、自分のポケットを確かめる。


 だが、どこに手を入れても何も入ってはいなかった。


 携帯電話をはじめ、財布も手荷物もここには無い。


 るかは顔をクシャクシャにして嘆く。


「これって犯罪じゃん……なんのつもりよぉ……」


 下里は頭を抱えてしゃがみこむ。


「なんなんだよ……死体はあるし財布盗まれるし、閉じ込められるし……助けてくれよぉぉ!! ……おまわりさーーん!!」


 下里はそう叫ぶと、ペタンと座り込んでしまった。

 その下里を見た桃太郎が静かに手を上げ「……はい」と、言った。


「え!?」と、三人は桃太郎に注目する。


「実は……刑事やってます」と、桃太郎は頭をポリポリ掻きながら照れくさそうに言う。


「えーっ!?」


 まりんと下里は、声を上げて驚いた。


 刑事がなぜ、簡単に拉致されているんだと……。


 るかは表情が青ざめる。


「私、蹴飛ばしちゃった……公務執行妨害罪だ……」


「いや、いいですよ……もう、いいです。でも、我々は今、共通、同じ立場です。ここは……」と、言いかけた時に何かを思い付いた。


「よし!!」と、桃太郎はデカイ男が放置されている部屋に入る。そして、しばらくすると、白のタンクトップと黒地に赤い線の入った半パン姿になって出てきた。



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