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第11章 迷路

 壁にへばりつく謎の女の後ろを、生唾を飲みながら通り過ぎる。


 不気味な空気が漂い、戦慄が走る。


 かかわってはいけない


 この言葉だけが静かにのし掛かる。


 しばらく歩き、ふと後ろを振り向いた。


 すでに女の姿は無かった。


「はぁ〜ビックリした! なに、あの壁女」


 ピイコは胸に手を当て大きく息を吐いた。


 あれは、なんだったのだろう……幽霊か妖怪……まさか、壁に埋もれこもうとしていた?


「純化ってあんなの飼ってんのか!? あぶね〜」


 ホルモン王子の心臓もバクバクと脈打っていた。


「あっ!!」 


 突然、のたまんが声を上げる。


「どうしたの?」と、ピイコが聞いた。


「いま、すごい大きな人が前の道を横切りましたよ」


 そう言って前方を指差した。


「何を見たんだ?」


「なんか、相撲取りみたいな大きさの男性がエプロン姿で……」


 のたまんの声が上擦る。よほど衝撃的だったのだろう。



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