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第11章 迷路

「40くらいの女性って言ってたな」


「はい」


「じゃあ、あそこにいるのは違うな」


「はい、どう見ても50は過ぎてます」


 男達はそう言うと、T字路でバラバラに走って行った。



 ピイコは拳を強く握り締め、ぷるぷると体を震わせていた。


 額とこめかみにクッキリと青筋を立て、いまにもぶち切れんばかりの怒号を必死に堪えていた。


 ホルモン王子は正面からハグをし、のたまんは後ろから背中をソッと押さえた。




 15分後ーー




「クッソーっ!! 50で悪かったわね!! 40じゃなくて悪かったわね!! なんなのあいつら!!」


 まだ治まってなかった。


「ピイコさん、やつらはなんか人を探してたんですよ。それが40代だったってことっすよ」


 ホルモン王子はピイコを宥めようとする。だが、ピイコはプライドが許さなかった。


 本人は永遠の30代のつもりだった。



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