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　扉を開けると、闇の中、冷たい空気に包まれた急な階段が現れた。


　二人はその階段をゆっくりと下る。


「ここ、下にしか電気のスイッチないからなぁ……ゆっくり足場を確かめながら下りてね」


「は……はい」


　まりんは、何が起こっているのか分からなかった。松の突然の行動にも戸惑っていた。


　ある程度下りると、松が止まった。


「まりんさん、ちょっとそこで待ってて」


　まりんは言われるままに立ち止まる。


「よっ!!」　


　掛け声と共にジャンプする。見事に着地すると、松は手探りで壁に手を当てる。


　何かが手に触れた。


「これだ」


　松は、その手に触れた物を押した。


　その瞬間に明かりが点き階段が照らされる。


「えっ!?」


　まりんは驚いた。一番下の階段が無い。


『ゴゴゴゴ……』


　無いと思われた階段が床から鈍い音と共に押し上がってきた。