BOXルーム
第13章 るかと桃太郎
自分が、F☆MIXに登録した理由も、桃太郎と同じだったからだ。
だが、違う所は、下里は素直に自分を出している。桃太郎の様に己を隠して違う仮面を被ってはいない。
桃太郎は階段に座り込んだ。目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
「下里くん、笑ってよ……俺って情けない男だよ。惨めな男だよ……」
桃太郎は今までの自分を思い出していた。学生の頃から自分を隠して誤魔化して生きてきた自分の姿を思出して……。
いつも隠し通せなくなったらその場から去っていた。上手い人は下手なフリが出来る。だが、下手は上手い人のフリは出来ない。
刑事だと嘘を言って過ごせるのはここだけだ。どうやっても隠し通せはしない。諦めての行動だった。そして、うずくまって泣きはじめた。
「偽者刑事さん、まだ仕事は終わってないよ」
突然、どこからか声がした。
その声に反応したのか、桃太郎は顔を上げた。
だが、違う所は、下里は素直に自分を出している。桃太郎の様に己を隠して違う仮面を被ってはいない。
桃太郎は階段に座り込んだ。目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
「下里くん、笑ってよ……俺って情けない男だよ。惨めな男だよ……」
桃太郎は今までの自分を思い出していた。学生の頃から自分を隠して誤魔化して生きてきた自分の姿を思出して……。
いつも隠し通せなくなったらその場から去っていた。上手い人は下手なフリが出来る。だが、下手は上手い人のフリは出来ない。
刑事だと嘘を言って過ごせるのはここだけだ。どうやっても隠し通せはしない。諦めての行動だった。そして、うずくまって泣きはじめた。
「偽者刑事さん、まだ仕事は終わってないよ」
突然、どこからか声がした。
その声に反応したのか、桃太郎は顔を上げた。