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第13章 るかと桃太郎

 下里と桃太郎の目の前に立っていたのは、松だった。


「ま……松さん!!」


 二人は目を大きくさせた。


「無事だったんですね……」と、下里は松に歩み寄った。


「まあね、詳しい話は後にしよう。ところで桃太郎さん、あんた……刑事って言い切ってたんなら最後まで仕事しようよ。最高の仕事残ってっからさ」


 松は自分の携帯電話を出して見せた。


「それと、さっきF☆MIX登録したから、マイF申請しといた」


「今言われても携帯はここには無いんです」


 下里はポケットを押さえ、弱々しくそう言った。


「まあな、でさぁ桃太郎さん、最後に残ったデカイ仕事、やってみないか?」


 松が笑顔でそう言うと、桃太郎は無言で顔を見た。


 松はさらに笑顔で返す。


「騙したのは悪いが、その償いくらいは出来るだろ。やろうよ」


 桃太郎は難しい表情を見せ、顔をそらした。


「あんた……まりんさんと何処までいったのさ……」


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