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第14章 シェルター2

「なにあれ……怖かった……」


 あまりの恐怖に力が入ったのか、肩がこる。首をゴキゴキと鳴らすと、大きなため息を吐いた。


『タタタタタタタ……』


 今度は何かが駆け抜ける音がする。



「え!? 今度は何よ……」


 すると、さっきのタイ人が走ってきた。


「兄ぃっ!! どこ行くするしましたかぁーーーっ!!」


「えええええ!!」


 るかはまた壁に寄り掛かる。壁に同化するかのように、体をグイグイ押し付けた。


 男はただ、そのまま走り去って行った。


「……」


 るかは茫然と、それを見送った。


「え……増殖させてんの?」


 壁に手をつきながらゆっくりと立ち上がる。


 まだ心臓がバクバクと脈打つ。身体中からドッと汗が吹き出し、シャツが肌にまとわりつく。


「やだ……」


 自らの手で首筋の汗を拭う。


 しっとりと湿った肌がなんとも不快に感じた。



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