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第16章 ルキア

「万里さん、いや、ここではまりんさんでしたね。あなたの名字を思い出すたびに、フラッシュバックが起こるの……あなた、そんな思い、したことある?」


 怒りの目から、次第に涙が溢れ出てきた。


「あなたの所為で男が怖くなった。だから、金で男を動かして使ってやろうと考えて今に至るの。いま、あなたに恨みを晴らすチャンス。嫌なら、土下座して謝りなさいよ。さっき私が見本を見せたでしょ。あんな風に土下座しなさいよ!! 出来ないなら、少し前の、全裸の時に写したあなたの写真をネットにばらまく」


 怒りの目に涙を溜め、笑いながら、1枚の写真を見せた。


「やめて!!」


 まりんは床に額がつくくらいに土下座した。


「……ごめんなさい。だから……やめて」


「聞こえないわ!! あなた、あの時、私が許しを乞うでも止めてくれなかったじゃない!」


「やめましょう!!」


 そう言ったのは下里だった。



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