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第5章 時間を戻してからの、話

「真綾さん、よろしく」


「こちらこそ。でも、この状況を何とかしたいですよね」


「あのドアから出れそうなんだけど、開けたらやる気の無い力士みたいなのが立ってるんですよ」


 ももっちは扉を指差す。


「あ、あそこ開くんですね」


 施錠されて監禁されてると思ったようだ。真綾は扉に歩み寄り、思いきって開けてみた。


 そこには、大男の姿は無く、濃い灰色の壁が見える。床は赤い絨毯張りの通路になっていた。


「出れそうですよ」と、真綾は通路を覗きこむ。


「ちょ……ちょっと、真綾さん! 何が起こるかわかんないですよ!!」


「あ……」と、真綾が声を出し、ももっちを見る。


「力士って、あの人ですか?」


 真綾が通路を指差すと、デカイ男が、アロハシャツを着た男を、肩に担いでノッシノッシと通り過ぎていく。


「!!!!」


 ももっちは声を失いそうになった。今のは何? なんで、人を担いでるの? どうするつもり?


 そんなことが頭の中をグルグルと渦巻いた。



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