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第5章 時間を戻してからの、話

「え? 何をするんですか?」と、真綾が不安げに聞く。


「このケンちゃんがいろいろと指示を致します。大丈夫です、この男はうちの執事ですから」


 どこが執事だっと言いたいのをグッとこらえて、真綾は、もうひとつ質問をした。


「あの……ここにあるエステティックサロンルキアて……」と、言いかけると、ルキアは手の平を押し出して「そこはまだいいの。いずれ分かるからちょっと待ってね」と、返す。


 ルキアは、ももっちに接近し、右手を差し出す。


「はじめまして、薄々テレビで拝見しております」


 ももっちは『薄々はいらねぇ! 時々でいいだろ!!』と、内心思いながら、笑顔でその手を握る。


「ありがとうございます。えっ? 私をご存知なんですか?」


「はい、ごくごくたまにテレビにお出になるときに、偶然たまたま見てまして……」


 ももっちは聞かなきゃよかったと思った。


「ももっちさんは、こちらでしばらく待機していただきたいんです。ゲストとしてお呼びいたしましたから」



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