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BOXルーム

第5章 時間を戻してからの、話

 壁に黄色いペンキで書かれた、シェルター3の表示が見えてくると、奥と手前に階段が現れる。


 階段には手すりがなく、駅の階段の様に幅広い。


 ただ、その階段は天井に続いており、その先に続くモノがなにもない。


「え? これ、どうなってんの?」と、真綾は恐る恐る、一段ずつ上がる。


 よく見ると、階段の突き当たり、ちょうど真上に正方形の縁取りが見える。どうやらこれは、この天井についてる扉のようだ。


 真綾は上まで上がると、そこを手でグッと押し上げた。


 パッと光が入り、真綾の顔を照らす。下から見上げると、さらに高くて深い天井が目に飛び込んできた。


「え!? なに、部屋?」


 真綾は頭を出し、部屋を覗き込む。真綾が顔を出したのは部屋の角の床からだった。


 テーブルにポット、段ボール箱が二つある真っ白な壁に囲まれた部屋に出た。すると、どこから出て来たのか、タンクトップを着た色黒で細めのタイ人みたいな男が現れた。



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