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BOXルーム

第5章 時間を戻してからの、話

 真綾は、また厨房に戻ってきた。


 ケンちゃんは肩に湿布を貼りながら(ももっち戦により負傷)、フライパン片手に壁にかかった電話で話をしている。


「え? ピザにドライカレー、唐揚げ、フライドポテト……で、何かドリンクを四人分ですか? これをシェルター1に……あの、広海くんがいないんですが……人手が足りないから、ムエちゃんに手伝ってもらってます……はい」


 真綾はまた持って行くのか……と、心の中で呟いた。


 タイ人のムエちゃんが、ケンちゃんに近寄ってきた。先程の電話を聞いていたのだろう。


「ちょっと……ジャガイモ、無い、違う? さっきので冷凍のやつ終わりよ」


 ケンちゃんはしまったと言わんばかりの表情を浮かべ、頭をボリボリと書く。


「聞かなかったことして、フライドチキンにするしましょう」と、ムエちゃんは言う。


「そうしよう!! さすがムエちゃん!!」と、ケンちゃんはハイタッチ。


 真綾は思った。


『さすがか?』



 ももっちは腰から下を、スカートを脱いで短パン姿になっていた。


「よっし!! 気合い入った!!」


 新人研修中と書かれた札を胸につけた、タンクトップ姿のボディービルダーと、これから腕相撲を始めるところだ。











 やはり勝ってしまった。


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