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第5章 時間を戻してからの、話

「すいません……だって何も聞いてないし……」


「いま、言ったしましたでしょ!!」


 やった後に言われても……と、言いたいのをグッと我慢した。


『この人、絶対に頭がおかしい』


 真綾は、頭でそう愚痴ると、渋々と厨房に戻る。


 厨房に戻ると、ケンちゃんと黒いスーツ姿の短髪で小太りな男が、なにやら話し込んでいる


「お嬢様の無茶ブリには困るよ……ケンちゃん、なんとか言ってやってよ」


「僕はただの執事だし……そんなの言える身分じゃないですし……」


「なんか、さりげなく仲間に入って、さりげなく出てきてほしいって言うけど……意味がわかんねぇ」


 この男はルキアの事を言ってるのだろう。


 真綾は厨房の台におかもちを置くと、何をしていいのか分からず、その場に佇んだ。


 ケンちゃんが真綾に気付き、近寄ってきた。


「ご苦労様です。まかない出すから食べてよ。何がいいですか?」と、『おしながき』と、書かれた二つ折りのメニュー表を渡した。


 真綾は正直、空腹状態だった。だが、厨房のまかない料理って何があるの?


 真綾はメニュー表を開く。



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