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BOXルーム

第5章 時間を戻してからの、話

 店内には誰一人いない。


 時間はまだ営業中で、今日は休みではない……はずた。


「松さん、なんか様子おかしくないですか? 外にも誰もいない」


 場所は駅前通りの繁華街。普段は賑わっているはずだが、一人も歩いていない。


 周りの店には照明はついてはいるが、人がいる気配がない。


 真綾は店から出ようとする。


「出るな!!」と、松が腕を掴み、真綾を止めた。


「えっ、どうしたんです?」


「様子がおかしいと思うなら尚更、出ないほうがいい。何か起こってんじゃないのか?」


「でも、確かめてみないと……それと、私、あの部屋に知らず知らずに連れて来られました。これって拉致なんじゃないですか?」


「拉致ならこうして店には出れないはず。何かあるんだよ」



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