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BOXルーム

第5章 時間を戻してからの、話

 二人は厨房まで戻ってくると、すでに注文の品は出来上がっていた。


「はい、これ出来たからシェルター1まで頼みますよ〜」


 ケンちゃんは山盛りのたこ焼きと、サラダを台に置いた。


「よし、持って行こう。その服も持って行くよ。真綾さん、食事しといて下さい」


「あ、私も行きますよ」


「いや、これは僕の出番ですし。ケンちゃん、おかもちはまた回収しに来てよ」


 松は左手で衣服、右手でおかもちを持ちながら、走る様に厨房を出た。


 真綾はドッと疲れが出たのか、椅子に座り、厨房の台にうつ伏せた。


 厨房にはナポリタンの香りが充満する。



 松はシェルター1に向かった。


 その途中、前方からムエちゃんが来た。


「おう、ムエちゃん。どこいたの?」と、松が声をかける。


「シェルター2を準備するをしたよ」


「シェルター2? 誰かいるの? 広海くんは?」


「広海、どこ行くしたのか? 見かけるしない」


「そうか……ま、あいつには会いたくないけどな……じゃ、またな」と、松は先を進む。だが、ポソッと何か黒いハンカチの様なモノを落とした。


 松はまったく気が付いてなかった。


「あ、松さん、何か落とすしたよ」と、言いながら、ムエちゃんがそれを拾う。


「え? なに? 小さいモノならポケットに入れてくれない?」


「はい、入れるするよ」


 ムエちゃんはそれを松の上着のポケットに入れた。


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