舞子のえっちな日記
第4章 五十嵐 冬伍
意外な言葉が飛んできて
城島さんと目を丸くすると
「…んだよ、見んなよ」
照れてしまったのか
五十嵐くんは腕を組んでそっぽを向いた。
私は城島さん目を合わせて
クスッと笑い合う。
なんだろうこの感じ。
手に負えなかった猫が
少しだけ自分に心を開いてくれたような…
そんな感覚。
五十嵐くんって本当は
すごく優しい人なんだろなぁ。
「さっさと行くぞ、ネクラ!」
どぎつい一言。
すかさず入る城島さんのコラ!の声に、
五十嵐くんはイタズラな笑みを浮かべ
逃げ回る。
そんな姿を見て、
初めて
彼を目の前にした時のことを思い出した。
あの自由奔放でワガママな性格、
言いたいことはなんでもいう
顔の良い次期社長。
私にとって
"めんどくせぇ"が口癖の彼は、
まだまだ未知な存在だ。
列ができるほどの人気店に
やっとの思いで入った。
「まさかこんな混んでるとはなぁ…」
「あー疲れた、
こんだけ並ばせといて
大した味じゃなかったらぶっ飛ばす」
「はいはい、
時間もないことだし早く選べよ。
稲垣さんも、何がいい?」
どうやらこの店は
女性に人気なお店のようで、
2人の美男子にやっぱり女性は釘付けになる。