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となりのアイツ AN

第16章 一歩3 かずくん 


・・・わかってる。

そんなのつまんないよ。
そんなのありえないよ。

まーくんのことが好きで好きで堪らない自分が ホントの自分だ。

男同士だって、子供の頃から知ってる間柄だって、関係なく好きになっちゃった自分がホントの自分だ。

これが俺なんだ。


だけど・・・


・・・逃げ場がなくなることはやっぱり怖い。

真剣に想いを伝えてしまったら、もう後ろに下がる道はない。

それでも 前へ進むことができるだろうか?
一歩を踏み出す勇気が 俺にあるだろうか?






・・・とりあえず 余分な心配をさせることは フェアじゃない。
身体を起こし、真っ直ぐにまーくんを見つめる。

「まーくん、ごめん。薬はいらない・・・風邪じゃないから・・・」

「え・・・ほんとに?大丈夫?それ・・・俺が心配しないように気を使って言ってるんじゃないよね?」


なんだかまた泣きたくなった。


まーくんはこんなにも純粋で まっすぐで優しいのに、俺ときたら一人でうじうじ悩んで
まーくんを振り回したり傷つけたり・・・。

もう、逃げるのはやめよう・・・




神様、俺に勇気を下さい。
素直になる勇気を。
退路を断つ勇気を。

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